Yoshiyuki
Takahashi
教授高橋 義行
子どもたちの笑顔のために
わが国では少子化が進行していますが、核家族化や医療の高度化に伴い、より専門性の高い小児科医のニーズはむしろ増えています。名古屋大学小児科では、幅広い小児疾患に対してより良い医療を提供するために、小児科専門医を取得することはもちろん、その後にサブスペシャリティとして、各種領域専門医を取得することを推奨して、卒後研修カリキュラム、初心者向け勉強会といった小児科医育成プログラムを通じて支援しています。
「医局」とは何か?という問いに対して、私たちは以下のように考えています。「医局」は利潤を追求する「会社」とは異なり社会貢献をする組織と位置付け、最も重要な存在意義は、学生教育と卒業後の研修を通じて次世代の若い小児科医を育成することです。若い小児科医が研修を経て、それぞれの希望によって、地域の小児医療を一次医療から専門性の高い二次・三次医療まで幅広く守る臨床医として活躍したり、現在の小児医療を少しでも改善することを目指して世界へ発信できる研究をしてくれています。独力で成長を目指すよりも、医局では周囲の様々な助けや勉強する機会を得ることが容易なのです。
約35の名古屋大学小児科関連施設が連携しており、希望によって専門性の高い研修施設での領域専門医の取得や、大学院に入学して医学博士の取得が可能です。毎年10~15名程度の入局者のうち半数近くが女性です。子育てを通じて得た経験は、素晴らしい小児科医としての助けになるので、できるだけ子育てでキャリアが途切れてしまわないような「子育て支援制度」も整備しています。
病気の子どもたちの笑顔を目指して、研究にも力を入れています。これまでできなかった診断や治療を可能にするなど、伝統的に臨床に直結した研究を幅広い分野で行っています。特に、網羅的遺伝子解析や遺伝子改変細胞治療、再生医療など高度先進医療の分野で業績を上げているのが特徴です。