教授メッセージ
名古屋大学小児科関連施設にて小児科臨床研修を行う医師が効率的でスムーズに研修を行えるように、「名古屋大学小児科臨床研修プログラム」を作成しています。小児科専門医の取得には日本小児科学会の会員歴が必要であるため、できるだけ早めに入会することをお薦めしています。名古屋大小児科医局では、初心者向け勉強会や各種専門セミナーや研究会の機会を提供して、小児科専門医や各種領域専門医の取得、また大学院に入学して医学博士の取得を支援しています。国内外への留学も積極的にサポートしており、勉強したことを名古屋大学小児科もしくは関連施設に持ち帰って活躍していただければうれしいです。
名古屋大学の
小児科医育成プログラム
小児科は生まれたての新生児から思春期までの幅広い年齢を対象にします。時には胎児であったり、成人の診療をすることもあります。病気の治療や予防だけでなく、その子の成長や発達を見届けることができるのも、小児科医の魅力の一つです。名古屋大学小児科では、generalistとしての対応力だけでなく、医療の高度化、専門化に対応できるサブスペシャリティを持つ小児科医の育成を目指し、多様な小児科医育成プログラムを用意しています。
未来ある
子どもたちのために、
一緒に働こう!
名古屋大学小児科の特徴
名古屋大学小児科は、30を超える豊富な関連施設を持ち、11の専門グループがあります。その中心となる名大病院は、小児がん拠点病院、総合周産期母子医療センターの指定をうけ、各グループや他診療科と連携して、多くの重症患者さんの治療にあたっています。また、免疫不全の新生児マススクリーニング検査、CAR-T療法、ミューズ細胞による治療法の開発など、目の前の患者さんによりよい医療を提供するための研究を行っています。
名古屋大学小児科は毎年10~20名の新入局者があり、女性医師も多く入局します。女性医師が育児や介護などのライフイベント時にもキャリアをできる限り継続できるよう、「子育て支援制度」でサポートしています。小児の健やかな成長をサポートするために、幅広い知識をもち、多彩な疾患に対応し治療にあたることのできる小児科専門医の育成に力を入れています。
小児科専門医を
取りたい!
名古屋大学小児科の臨床研修とは
名古屋大学小児科研修医(専攻医)プログラムでは、3年間の研修を通じ、新生児から思春期までの幅広い年齢層を網羅し、子どもの総合医として必要な小児の特性や診療技能を習得することができます。また、関連施設でも小児科の臨床研修を効率的かつ円滑に行えるよう、名古屋大学小児科臨床研修プログラムを作成しています。
名古屋大学小児科の関連施設には、5つの研修基幹施設と多くの研修連携施設があり、希望に応じて、多様な小児科研修医(専攻医)プログラムを選択できます。サブスペシャリティ領域の専門医もそろっており、小児科の日常診療で重要なCommon diseaseや救急疾患だけでなく、さらに専門的な診療が必要な難治性疾患までバランスよく学ぶことができます。専門医試験に必要な10の専門領域の研修が充実しており、専門医取得に必要な論文執筆のサポート・指導も行っています。
目指すは
サブスペシャリティ
領域の専門医!
小児科医はgeneralistとして幅広い疾患に対応する必要があるだけでなく、近年は高度に専門化した小児医療へのニーズが高まっており、高度医療を実践するにはサブスペシャリティ領域の専門医取得が必要となっています。名古屋大学小児科においては、若手の先生方の先のキャリアを見据えて、ワークライフバランスを実現する多様なサブスペシャリティ領域の研修を提供しています。
- 名古屋大学小児科の関連施設で研修
- 愛知県四大学小児科・合同研修プログラムを利用
- 大学院で、研究を行いながら研修
- 県外への国内留学・国外留学
国内・国外留学を
応援します!
名古屋大学小児科では国内・国外留学を積極的に応援しています。サブスペシャリティをさらに磨くための留学や研究機関等への留学を奨励しており、現在も多くの仲間が国内外の施設で活躍しています。
留学実績(過去10年)
9名
- ジョンズ・ホプキンス病院
- ノースカロライナ大学
- カロリンスカ研究所
- ニューカッスル大学
- ブリストル大学
25名
- あいち小児保健医療総合センター
- 国立精神・神経医療研究センター
- 岡山大学病院
- 国立循環器病研究センター
- 国立成育医療研究センター
- 東京女子医科大学東医療センター
- 福岡市立こども病院
- 茨城県立こども病院
名古屋大学小児科関連施設一覧
静岡県
子育て支援制度
名古屋大学小児科では、2008年4月より子育て支援制度を運用しています。本制度は、育児や介護、ご自身の病気などのライフイベントに関わらずキャリアを継続できるようにするために、多様な働き方の実現、多様な医療人材の確保を通じて、地域医療に貢献するための支援制度です。
子育て支援制度は
なぜ始まった?
始まりは一通のメールから
2007年5月、当直も休日夜間の緊急コールにも対応しながらフルタイム勤務を続けてきたある女性医師が、3人の子育てとの両立が困難になってきたとして、小島勢二前教授に休職願のメールを書きました。これを受けて、前教授より「先生の悩みは小児科全体の悩みであるから、どうすれば子育て中の女性医師が仕事を続けられるのか調査して欲しい。」という宿題が出されました。
関連施設の部長会でのプレゼンテーション
2007年7月、関連施設の部長会で『小児科女性医師が仕事を継続できるために』と題して、全国的な女性医師支援制度の取り組みの紹介、小児科医局構成員の現状報告(図1,2)、医局における新たな育児支援制度の擁立に関する案(図3)をまとめ発表しました。
図1.名古屋大学小児科同門会に占める
女性医師の割合(2007年)
図2.40歳前後の女性医師の勤務先
図3.名古屋大学関連施設の子育て中の
女性医師アンケート(n=24)
子育て支援ワーキンググループの結成と制度の発足
2007年10月、女性医師支援制度ワーキンググループ(現 子育て支援ワーキンググループ)が発足しました。ワーキンググループによる関連施設の部長のアンケートで、38病院中24病院(63%)から回答があり、回答のあった病院のうち18病院(75%)が何らかの形で子育て女性医師のために短時間勤務制度を導入することが可能であるとありました(図4)。
図4.名古屋大学小児科関連の部長へのアンケート
子育て支援制度運用開始と反響
2008年4月、子育て支援制度の運用が開始されました。この動きを捉えた新聞社やニュース番組など各種マスコミからも取材の申し込みがあり、全国的にも珍しい取り組みであると好意的に紹介されました(図5)。
図5.小島前教授が制度につき取材を受けている様子
子育て支援制度って
どんな制度?
マッチングまでの流れ
子育て中の女性医師やその他の事情でフルタイムで働くことが困難な医師を対象にしています。子育て支援制度に登録申請をしていただくと、短時間勤務制度やフレックスタイム制など、ご自身にあった働き方ができるよう、子育て支援制度ワーキンググループがマッチングのお手伝いをいたします。詳細は、子育て支援制度の運用規則および協力施設一覧をご覧ください。
子育て支援制度に興味がある先生や登録を希望される先生は、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
子育て支援制度の
利用状況は?
子育て制度開始の2008年から20名以上の利用があり、約半数の女性医師が子育て期間中を経て、常勤医として復帰しています。また、こうした取り組みを契機に、関連施設でも子育て女性医師の理解が進み、制度を利用せずに産休・育休後に当直を減免した形で復帰している女性医師も増えています。
子育て支援制度の利用者数とその内訳
2008年4月から10年間で19名の利用がありました。
9名
子育てのため
休職中であった方
卒業時
4名
勤務中
4名
制度利用後の勤務状況
常勤に戻った医師は、19名中10名でした。
10名
19名
制度利用中の勤務状況
個々のニーズに合わせて、多様な形態で勤務していました。
週1日 | 1名 |
---|---|
週2日 | 3名 |
週3日 | 6名 |
週4日 | 4名 |
---|---|
週5日 | 5名 |
今後の子育て支援制度利用による勤務体制
関連施設に勤務する医師(2007年と2020年の比較)
制度開始前の2007年に比べ、2020年には医局員全体の数が374名から626名と増えています。女性医師の割合も、33.7%から38.3%に増えています。制度ができる以前は、出産・子育てを経たのちフルタイム勤務に戻るには、当直もしなくてはならない状況であったため、個人医院などでの時短勤務にシフトする女性医師が多かったのですが、制度開始後、子育て支援への理解が進み、関連施設全体でこの制度を利用しなくても、産休・育休後に当直を減免した形での復帰を可能とする病院が増えており、子育て世代の女性医師で関連施設での勤務を継続している医師が増えています。
よくあるご質問
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小児科専門医を取得したいのですが、子育てと両立はできますか?
研修休止が6カ月までであれば、研修期間の延長の必要なく3年間でプログラム終了とみなされます。
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先輩方はどのような道へ進んでいるのでしょうか?
あなたは地域基幹病院でバリバリ臨床をしたいのでしょうか? 大学院で研究したいと思っているのでしょうか?
留学を考えているのでしょうか? 多様なキャリアパスがあり、それぞれの道にロールモデルが存在します。
まずは、その一例を先輩の声でご覧ください。 -
何から相談したらよいかもわかりませんが、誰かに相談することはできますか?
あなたが相談したいことをお問い合わせフォームにご記入ください。ご相談内容に応じ、担当の医師よりお答えします。
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